アサヒビール社長やNHK会長を歴任した福地茂雄(ふくち・しげお)さんが1月29日、脳出血のため死去した。89歳。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会を後日開く。喪主は妻佐代子(さよこ)さん。
福岡県出身。1957年に長崎大経済学部を卒業し、朝日麦酒(現アサヒビール)に入社した。大阪支店長など営業畑を歩み専務や副社長を経て、アサヒビールがビール市場首位となった98年の翌99年に社長に就任。2001年には発泡酒を販売しないという方針を転換して参入し、発泡酒を含めたビール市場全体で首位を達成した。翌02年に会長、06年に相談役となり、経営の一線から退いた。
08年に第19代NHK会長に就任。当時、NHKは職員によるインサイダー取引疑惑で激しい批判にさらされたが、コンプライアンス(法令順守)を徹底して信頼回復に努めた。10年には大相撲の野球賭博問題を巡り、名古屋場所のテレビとラジオの生中継を中止した。文化活動にも精力的で、東京芸術劇場館長や新国立劇場運営財団理事長も務めた。