
将棋の藤井聡太名人(22)が王将戦に続いて永瀬拓矢九段(32)の挑戦を退け、3連覇を成し遂げた。毎局のように千日手がささやかれる“千日手シリーズ”となったが、難しい局面でも形勢を崩さない読みの精度の高さを見せつけた。
永瀬九段の封じ手4八飛(67手目)から2日目の対局に入った。両者とも飛車の横移動を繰り返し、午前10時59分に4回目の同一局面が現れて第4局に続き千日手が成立した。持ち時間各9時間のうち千日手局の消費時間は永瀬九段5時間7分、藤井名人4時間42分。残り時間を両者が引き継いで午前11時半、初手から指し直し局が始まった。
先手から角を交換し、後手番の永瀬九段が第2局に続いて3三金―8四歩型の陣形を敷き、45手目までは第2局の展開をなぞった。永瀬九段が9二香(52手目)として端攻めを見せると藤井名人が8六銀(55手目)と受けるなど、互いに戦いの糸口を探り合う神経戦が続いた。
藤井名人が4七銀(57手目)と引いたのを見て、永瀬九段は夕方の休憩を挟んで37分の考慮で4四歩(58手目)から銀を進め、中央を制圧する。藤井名人は5八金(75手目)から自陣の守りを固めて粘り、6六銀直(87手目)から反撃。大接戦の末、藤井名人が抜け出した。
解説の千田翔太八段は「中央の制圧を許した藤井名人に何か誤算があったのかもしれない。粘りに出てからの藤井名人の指し回しが見事だった」と話した。【丸山進、新土居仁昌】
