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前橋市長選で見た相手候補への“中傷合戦” 政策本位の論戦を


 任期満了に伴う前橋市長選は4日、投開票され、「市政刷新」を掲げた無所属新人の元県議、小川晶氏(41)が、無所属現職で3期目の山本龍氏(64)=自民、公明推薦=を破り、初当選を果たした。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で岸田政権への批判も影響した。北関東の県庁所在地では初の女性市長。県内の女性首長は1986年の旧水上町(現みなかみ町)、2014年の安中市、23年の榛東村に続き4人目で、同村の南千晴村長が当選した当時の42歳を更新し、歴代最年少。

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 県都の人口減少は深刻だが、少子化、経済対策などで双方の公約は似通い、正面から論戦が展開されることはなかった。それなのに、激しい選挙戦を反映し、取材中に相手候補への中傷に近い批判合戦に遭遇する場面があり、その度に内心、「現代日本の県庁所在地の選挙としては昭和すぎないか」とため息をついた。「新しい政治」を掲げて初当選した小川氏にはこの際、政治のあり方を本気で変えてほしい。

 山本陣営幹部は集会で小川氏の子育て支援策に対し、「子どもを産んだことがない人が子育て、子育てと言うが、本当に分かっているのか」と批判した。当然ながら、重要なのは市長自身の経験でなく、政策の中身だ。

 共産党が候補者擁立を断念し、小川氏を支援したことにも山本陣営の批判が集中した。「共産に借りができる」「前橋に共産系市長が誕生してしまう」。小川氏を支援する保守層へのけん制とみられるが、小川氏は過去の県議選で立憲民主、国民民主両党から支援を受けた中道路線で、「共産系」は不正確だ。

 一方の小川氏の陣営でも、確認しようのないうわさ話で山本氏を批判したことがあった。中傷合戦の効果は限定的で、むしろ政治に嫌気がさす有権者の方が少なくないだろう。中傷からは脱却し、政策本位の選挙戦を根付かせるのが急務だ。【田所柳子】

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