支払い能力を超える高額な料金を請求し、多額の売掛金（ツケ）を女性客に背負わせる悪質ホストクラブの問題で、ぼったくり行為などの法令違反があったとして、東京都公安委員会は、歌舞伎町（新宿区）のホストクラブなど計3店舗を営業停止の行政処分にした。関係者への取材で判明した。処分は26日付。
関係者によると、処分を受けたのはホストクラブの「DEJAVU（デジャヴュ）」、「CROWN（クラウン）」と、男性従業員が接客するメンズコンセプトカフェ（コンカフェ）の「カフェプリンスTOKYO」。
デジャヴュでは2023年8月、店を出ようとした女性客を「飲まないと帰れない」などと言って引き留め、近くの現金自動受払機（ATM）で現金を引き出させて85万円を支払わせるなどの行為をしていたという。都公安委はこの行為が都条例で規制するぼったくりに該当すると判断し、80日の営業停止処分とした。
都条例のぼったくり行為を適用し、ホストクラブに対して行政処分が実施されたのは初めてという。
クラウンとカフェプリンスは同じグループの系列店で、いずれも23年3月に18歳未満の女性を客として店に立ち入らせた風営法違反が確認され、120日の営業停止処分とした。
ホストクラブの悪質な営業を巡っては、女性客が売掛金を払うために売春をするケースなどがあり、問題となっている。警視庁は23年12月、歌舞伎町のホストクラブやコンカフェを対象に一斉立ち入りを実施。調査した202店のうち7割超で、値段を表示せずに酒類を販売するなど、風営法に違反する営業が確認されていた。【加藤昌平】
