自民党の萩生田光一前政調会長は22日、派閥の政治資金パーティーを巡る事件に関して、国会内で記者会見を開き、自身が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書への不記載額は2018年からの5年間で計2728万円だったと明らかにした。萩生田氏は清和政策研究会（安倍派）の幹部「5人衆」の一人。同派が立件されたことについて「多大な政治不信を招いてしまったことを心からおわび申し上げたい」と陳謝したが、離党や議員辞職はしない考えを示した。
萩生田氏は不記載について「これまでのノルマや還付金、支出等を含め把握をしていなかった。私の甘えであり、積極的に把握と（事務所の）指導に努めなければいけなかったと大変反省をしている」と述べた。
パーティー券収入に関しては、ノルマを超えた分は、所属している安倍派からキックバック（還流）があったほか、派閥に収めず自身の事務所にプール（留保）していたものがあったという。不記載額は数百万円程度とみられていたことについては「この数百万円という報道がなぜ独り歩きしたのかは分かりかねる」と述べた。
裏金化していた金の使途については「一つ目は国会議員、外国要人、マスコミ関係者等有識者との会合、二つ目は大臣出張や政調会長としての外遊時の政務活動費」と語り、私的な利用や選挙関連の支出はなかったと強調した。過去にさかのぼって確認できた不記載分のうち、残金約1890万円を「還付金問題を清算する意味で安倍派に寄付する」との意向も示した。
同じく5人衆の一人、高木毅前国対委員長は22日、自身が代表を務める政治団体で、収支報告書への不記載額が18年からの5年間で計1019万円だったと発表した。【遠藤修平】
