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「マジンガーZ」原画燃失、軍艦島は崩落…能登の観光名所大打撃


 能登半島地震で、石川県内の観光業が深刻な打撃を受けている。震源地となった能登地方では観光名所や集客施設が被災し、休業を余儀なくされている。大きな被害を免れた地域でも温泉旅館などは影響の長期化を懸念している。

 輪島市の観光名所「朝市通り」は火災で焼け野原になり、一角にあった「永井豪記念館」も全焼した。同市生まれの漫画家・永井さんを紹介するため2009年に開館し、館内で代表作「マジンガーZ」の大型フィギュアなどを展示していた。市によると、所蔵していた原画も焼失したという。SNS(ネット交流サービス)上には「お宝がたくさんあったのに非常に残念」「不滅のヒーローたちは被災地とともに復活する」など、ファンがコメントを寄せている。

 能登のシンボルとして知られる観光名所で、独特の形状から「軍艦島」の別名を持つ見附(みつけ)島(珠洲市)は土砂が崩れ落ちた。高さ28メートルの岩は22年と23年の地震でも一部が崩れ、崩落がさらに拡大した。

 元日から営業していた「のとじま水族館」(七尾市)は臨時休業中。水をろ過・循環させるパイプにひびが入り漏水でポンプが水没し、ろ過できなくなった。ヒーターの故障で一部の水槽は水温が下がった。9日には飼育しているジンベエザメのハチベエ(雄、体長4・6メートル)が死んでいるのを確認した。通常25度の水温が17度に下がり、水も濁るなど環境悪化が原因とみられる。ゴマフアザラシなど他の海獣や魚も、県内外の施設に順次移送を始めているという。

 和倉温泉(七尾市)にある旅館22軒でつくる和倉温泉旅館協同組合によると、加盟する全旅館が当面休業という。温泉の湧水(ゆうすい)に影響はないが、外壁にひび割れなどが出ている施設があり、宮西直樹事務局長は「観光客が順調に回復していただけに残念」。4館を運営する老舗旅館「加賀屋」の広報担当者は「建物にどれぐらいの被害が出ているか分からない。専門家に見てもらう予定だ」と話す。

兼六園、金沢城でも被害

 影響は能登地方にとどまらない。金沢市の金沢城公園では明治時代築造とみられる石垣が4カ所で崩れ、土のうを積んだりコーン標識で囲んだりして安全を確保している。隣接する兼六園でも灯籠(とうろう)などの石造物や石積みが崩落した。ともに臨時休園となり兼六園は再開したが、金沢城は見通しが立たないという。城のボランティアガイドを10年以上続ける舟橋弘美さん(76)=金沢市=は「経験したことのない大きな地震。ガイド仲間も残念がっており心が痛む」と話した。

 白山市の「ふれあい昆虫館」は2日から営業しているが、入場者は2日は72人、3日は171人で昨年の2~3割。自然豊かな白山市は全域が昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界ジオパークに認定され、市観光連盟の中村直人専務理事は「新型コロナウイルス禍では観光客が3分の1ぐらいに減り、『さあこれから』という時だった」と嘆いた。

 能登半島北部から直線距離で130キロ以上南にあり、3月には北陸新幹線加賀温泉駅の開業を控える加賀市。旅館約50軒でつくる「加賀温泉郷協議会」の和田守弘会長によると、9割近くの旅館は通常通り営業しているが、宿泊客のキャンセルが相次いだという。「高速道路など交通手段も復旧しているのに大打撃だ。それでも能登のことを考えると『大丈夫』と言いにくい雰囲気がある」と話した。【菅沼舞、郡悠介、高木香奈、林みづき】

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