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「しばらく待機を」 熊本市長がSNSで教訓発信 能登半島地震


 緊急な方以外は少しお待ちください――。最大震度7を観測した石川県能登地方を震源とする地震で、熊本市の大西一史市長が自身のX(ツイッター)で、被災地に物資を送る支援について、こう呼びかけた。2016年4月の熊本地震から得た教訓を改めて知ってもらおうと発信した、「待つことも支援」の意味は――。

 能登地方で最初の地震が起きた翌日の2日、大西市長はXに「一般の皆さんには発災直後はしばらく待機していただくことが重要で、発災直後の現場の混乱を避けることになります。必要に応じて各自治体や関連団体から情報発信されますのでそれを待ってください」などと投稿した。大西市長は毎日新聞の取材に「被災地の受け入れ態勢が整わないうちに大量の物資が届けば、支援が生かせないこともある」と語った。

 市の震災記録誌によると、熊本地震の発生直後、個人・民間企業などからの支援物資が続々と届いた。しかし大量の物資に対応する職員や場所が不足するなど、受け入れの態勢には限界があった。また、届いた箱に何が入っているか明記されていないものがあり、仕分けに負担がかかった他、水道復旧後も飲料水が大量に届くなど、避難所のニーズとのミスマッチが生じたという。

 配送にも混乱が起きたといい、大西市長はXで「損傷した道路は渋滞し物資を運ぶ大型トラックだけでも100台も並び荷物を下ろす人手もないため荷下ろしまで12時間待ちという状況でした」と振り返った。

 被災地でニーズが刻一刻と変化する中、物資に関わる情報を一元化して運用することは被災直後の行政には困難な面がある。大西市長は毎日新聞の電話取材に「被災地の現場を混乱させないことも非常に重要な支援の一つ」と強調する。その上で「報道で次々に被害状況が分かると『何とかしたい』という気持ちになる。気持ちは非常にありがたいが、ある程度の復旧が進み、発災から数カ月たった後からの支援が非常に重要になる。今は少し冷静になって、緊急の方以外は受け入れ態勢が取れるまで待っていただきたい」と呼びかけた。【竹林静】

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