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「出ろっ!」 余震に緊迫、倒壊ビルから女性救出 能登半島地震


 「出ろっ!」。石川県輪島市中心部にあるビル倒壊現場では3日午後、救助隊員の緊迫した声が響いた。新たに揺れが起きると、隊員が建物内にいる仲間に向かってメガホンで危険を知らせる。中で捜索をしていた隊員は次々と外に退避し、揺れが収まるのを待って作業を再開。深夜になって女性1人が意識不明の状態で運び出された。

 地元消防本部などによると、倒壊した7階建てビルは、伝統工芸「輪島塗」の制作などを手がける「五島屋」本社。最大震度7を観測した1日の地震で横倒しになり、隣の木造飲食店兼住宅に覆いかぶさった。3日までに、この隣家の住人とみられる若い女性が救出されたが、容体は不明という。

 3日の救助に当たったのは、大阪市消防局などによる応援部隊で延べ約40人。「もう1人女性が閉じ込められている」との情報があり、午前から捜索していた。隊員は雨の降る中、代わる代わる倒壊した建物に入った。

 ビルと地面の間に支柱などを入れてさらなる倒壊を抑え、がれきをかきだしながら捜索。その後、建材の下敷きになっている40代ぐらいの女性が見つかり、「大丈夫ですか」「意識はありますか」などと呼びかけたが、応答はなかったという。午後10時すぎになって女性は運び出された。現場の隊員は報道陣に「亡くなっている」と説明した。消防や近所の人の話では、先に救出された女性の母親とみられる。

 女性の親族とみられる人らも、隊員に寄り添われながら固唾(かたず)をのんで救出の様子を見守った。近所の男性(66)は「揺れの後にはもうつぶれていて一瞬の出来事だった。女性は、沖縄料理店を経営していて人当たりの良い明るい人。高校生ぐらいの娘さんがいて朝は『行ってらっしゃい』、夕方には『おかえり』と元気な声が聞こえてきたのに……」と肩を落とした。

 4日夕で地震発生から72時間。これを過ぎると、救助を待つ被災者の生存率が大幅に低下するとされる。【菅健吾、朝比奈由香】

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