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ロシア領内、侵攻後最大の被害か ウクライナ軍砲撃、100人超死傷


 ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州で29日夜から30日にかけて、ウクライナ軍による大規模な砲撃があり、同州のグラトコフ知事によると、少なくとも22人が死亡し、100人以上が負傷した。ロシア領内の人的被害としては2022年2月に「特別軍事作戦」が始まって以降、最大とみられる。

 これまでウクライナは、ロシアによる核使用などのエスカレーションを懸念する欧米に配慮し、ロシア領内へはインフラなどへの攻撃に限定してきた。ただし29日にはロシア軍により国内各地に軍事作戦開始後で最大規模となる空爆を仕掛けられたことから、ゼレンスキー大統領も報復する意向を示していた。欧米による軍事支援が先細る中、ウクライナによるベルゴロド州への攻撃は「一線を越える」形となっている。

 自国領内で20人を超す犠牲者が出たことを受け、ロシア軍は30日にもウクライナの首都キーウ(キエフ)などへの空爆に及んでおり、報復合戦の様相が濃くなっている。

 ウクライナと隣接するベルゴロド州は特別軍事作戦の開始後、散発的にウクライナ軍による砲撃や無人機(ドローン)攻撃を受けてきた。23年6月の時点で、数千人の住民がすでに国内の別の地域に避難していると伝えられていた。

 今回のベルゴロド州への砲撃について、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は30日、通信アプリに投稿した動画で、クラスター弾や多連装ロケットシステムが使用されたが、その大半はロシアの防空システムで迎撃したと説明。その上で、「ウクライナは無差別に攻撃し、前線での敗北から注意をそらそうとしている」と批判した。タス通信によると、一連の攻撃で、集合住宅や民家などが被害を受け、10カ所で火災が発生した。

 ロシアはこの日、国連安全保障理事会の緊急会合の開催を要請。会合ではネベンジャ国連大使が、ベルゴロド州へのウクライナ軍の攻撃について「意図的なテロ行為だ」と指弾し、欧米諸国などに今後のウクライナ支援の見通しについて説明するよう迫った。

 ウクライナ治安当局者は攻撃の標的は軍事施設に限定しており、被害の拡大は「ロシア空軍の未熟な働きの結果だ」と主張。オンラインメディアの「ウクラインスカ・プラウダ」が30日報じた。

 ウクライナ軍が6月に始めた反転攻勢が停滞する中、ロシアがウクライナ東部で攻勢に出ていた。そのさなかにウクライナ空軍は26日、南部クリミア半島南東部フェオドシヤでロシア軍の大型揚陸艦ノボチェルカスクを破壊したと発表。ロシア独立系メディア「アストラ」も船員33人が行方不明になっていると報じるなど大きな被害を出した。

 直後の29日にロシア軍がキーウや西部リビウなどに実施した空爆では、死者が41人に拡大。ウクライナメディア「キーウ・インディペンデント」が報じた。ロシア軍が30日にも敢行した空爆では、東部ハリコフで少なくとも26人の負傷者を出したという。【山衛守剛】

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