埋もれた車内から複数の人骨か 近くに釣り具も確認 奈良・土砂崩れ

　奈良県下北山村の国道169号で起きた土砂崩れで、奈良県警や地元消防は28日、土砂に埋もれた車の中から複数の人骨のようなものを発見した。車は連絡が取れない和歌山県の70代男性が乗っていたとみられ、奈良県警が身元の特定を進める。

　県警吉野署などによると、捜索活動をしていた28日午前10時35分ごろ、車の運転席付近で人骨の一部のようなものを発見。同一人物の骨の可能性が高く、焼けたような痕があったという。消防の小型カメラによる調査で、近くの土砂の中に釣り具があるのも確認した。

　現場では発生直後に土砂の中から白煙が上がり、車はこの付近で26日に見つかった。車体は焼けて押しつぶされ、車種やナンバープレートが和歌山県の男性が使用する車と一致。奈良県警や消防は、男性が三重県に釣りに向かう途中に巻き込まれたとみて救助を急いでいた。

　土砂崩れは23日午後8時55分ごろに発生。斜面が高さ約40メートル付近から幅約20～30メートルにわたって崩落した。別の軽乗用車も巻き込まれ、運転していた50代男性が足を負傷した。【望月靖祥、木谷郁佳】