奈良県下北山村の国道169号で起きた土砂崩れで、地元消防は26日、土砂の中に車1台が埋まっているのを確認した。行方の分からない和歌山県の70代男性の車と車種やナンバーが一致したという。車内に人が閉じ込められている可能性があり、消防や奈良県警は27日も救出活動を続ける。
現場周辺は新たに土砂が崩れる2次災害の恐れがあり、県はこの日朝から遠隔操作が可能な重機を投入し、岩や土砂の撤去を進めていた。午後3時過ぎ、ドローンを飛ばしていた消防が土砂から車の一部が出ているのを発見。和歌山県の男性の車と同じナンバーと確認した。地上からも小型カメラで調べたところ、バンパーやタイヤ、ドアを見つけた。作業はいったん打ち切られ、消防などは27日朝から車体周辺の土砂を取り除き、車内に人が残されていないか調べる方針。
和歌山県の男性は、三重県に釣りに向かう途中に現場の国道を通ったとみられている。家族が24日、「父親と連絡が取れない」と奈良県警吉野署に相談していた。
土砂崩れは23日夜に発生。国道脇の山の斜面が高さ約40メートル付近から幅20～30メートルにわたって崩れた。26日に見つかった車とは別の軽乗用車も巻き込まれ、運転していた50代男性が足を負傷した。【川畑岳志】
