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紅海の多国籍部隊発足 各国に温度差 日本・ドイツは参加せず


 紅海でイエメンの親イラン武装組織「フーシ派」による商船への攻撃が相次いでいる問題で、米国が18日に紅海の海洋安全保障を担う多国籍部隊の発足を発表した。しかし、日本やドイツなどスエズ運河経由のシーレーンに依存する経済大国は名を連ねなかった。参加が公表された10カ国のうち、艦艇の派遣を明言しているのは4カ国だけで「国際的な解決が必要だ」とするバイデン政権の意気込みとは裏腹に広がりに欠ける。

 「紅海は世界の海上貿易の10~15%の航路となっている。ギリシャ、中国、日本、ドイツが保有する船が40~50%を占めている」。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は19日の記者会見で、紅海の重要性を強調した。

 フーシ派による攻撃を受け、大手の海運会社が相次いで紅海での航行を停止。日本を含めて、遠回りした場合の海運コストの上昇などの悪影響が懸念されている。多国籍部隊は警戒活動や商船の安全確保にあたる予定だ。

 しかし、紅海への依存度が高いと名指しされたギリシャ、中国、日本、ドイツの4カ国は、今回発足した多国籍部隊に参加していない。自国から離れた地域で艦艇を運用できる軍事力を持つ国は限られ、自衛隊やドイツ軍は海外派遣に法的な制約がある。中国も緊張関係にある米国が主導する枠組みへの参加には消極的だとみられる。北大西洋条約機構(NATO)を通じた米国の同盟国も、ギリシャを含めて大半は参加を表明していない。

 一方、エジプトやサウジアラビアなど紅海沿岸の主要国も公表された参加10カ国に含まれず、アラブ諸国では多国籍部隊の司令部が置かれるバーレーンのみが参加を表明した。

 参加を表明した国の中でも、対応には温度差がある。米軍事メディア「ディフェンス・ニュース」などによると、米国、英国、フランス、イタリアの4カ国は艦艇の派遣を決めた。しかし、オランダ、ノルウェー、カナダは要員の派遣にとどまる見込みだ。スペイン、バーレーン、セーシェルも艦艇の派遣は発表していない。AP通信によると、参加を公表していない国が数カ国あるが、どこまで協力するかは不透明だ。

 紅海の「航行の自由」の重要性は広く理解されており、オースティン米国防長官がバーレーンで開いた今回の多国籍部隊に関するオンライン会議には、日本を含む43カ国と欧州連合(EU)、NATOが参加した。米国は今後も参加を募る構えだが、当面は艦艇数が限られるため、合同巡視のカバー範囲も限られる。

 フーシ派幹部は19日、X(ツイッター)に「パレスチナ自治区ガザ地区で大量虐殺の罪が止まるまで、我々の軍事作戦は続く」と投稿。イスラエルによるガザ地区侵攻終了まで「イスラエルに関係する」と判断した船舶への攻撃を続ける考えを示した。【ワシントン秋山信一】

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