薬物の影響で歩けない状態だった女子高校生（16）を車に乗せて自宅に連れ去ったとして、大阪府警は7日、住居・職業不詳の橘孝憲容疑者（58）を未成年者略取の疑いで逮捕した。女子高校生はその後に死亡した。体内から致死量以上のせき止め薬の成分や、致死量に満たない覚醒剤の成分が検出されており、府警は急性薬物中毒の可能性があるとみて薬物摂取の経緯を調べている。
未成年者略取容疑で58歳逮捕
逮捕容疑は11月11日未明、大阪市中央区の路上で、薬物などの影響で抵抗が難しくなっていた高校1年の女子生徒＝大阪市、中国籍＝を軽トラックに乗せ、大阪府茨木市の自宅マンション（当時）に連れ去ったとしている。「事実と違う」と容疑を否認しているという。
捜査1課によると、11月12日朝に橘容疑者が「知人女性の意識と呼吸がない」と119番。駆け付けた救急隊員が橘容疑者宅で女子生徒を見つけて死亡を確認したが、橘容疑者はいなかった。府警が指名手配し、12月7日に橘容疑者が出頭したという。
女子生徒は事件前日の夜、大阪市中央区のカラオケ店に橘容疑者を呼び、一緒に約2時間半過ごしていた。女子生徒のスマートフォンには手のひらに約30錠の錠剤を乗せた画像も残っていた。2人は少なくとも10月からSNS（ネット交流サービス）で連絡を取り合っていたという。【洪玟香、林みづき】
