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周庭氏「香港には戻らない」 留学先のカナダでインスタに声明


 香港民主活動家の周庭(英語名アグネス・チョウ)氏(27)が3日、写真共有アプリ「インスタグラム」の自身のアカウントで声明を発表し、9月中旬からカナダに留学していて、今後香港には戻らないつもりだと明らかにした。周氏は2019年の大規模デモを扇動したとして実刑判決を受け、21年6月まで服役。その後もしばらく、外国渡航が認められない状況が続いていた。

 声明によると、周氏は今年カナダ・トロントの大学院への留学を目標に動き始めた。だが20年8月に香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕(その後保釈)された周氏は当局にパスポートを没収されていて、9月のカナダ渡航時には治安当局の許可が必要だったという。

 周氏は当局から求められていた条件に従い12月中旬には香港に一時帰郷するつもりだったが、「香港の状況、自分の安全などを熟考した結果、戻らないことを決めた。恐らく一生戻らないだろう」と記した。香港では再び逮捕されるのではないかとの恐怖などから心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されるほどの厳しい状況だったと説明。また、当初から香港に戻らないつもりで渡航したのではなく、カナダで考えた結果だとしている。

 声明ではカナダへの渡航を求める周氏に対し、香港国安当局が中国への愛国心を証明するさまざまな行動を要求していたことも明らかにした。周氏は民主化運動に参加したことへの反省や今後運動関係者と接触しないことを記した文書を提出。8月には香港国安当局者5人が同行して中国本土を訪問し、歴代の中国指導者の業績を示す展示や広東省深圳にあるIT大手・騰訊控股(テンセント)の本社などを見学し、展示とともに写真を撮影するようにも言われたという。

 中国では、人権派弁護士らを政治事件で処罰する際に、自分の行為が誤っていたことや国家の正当性を認める「告白」映像などを撮影させることと引き換えに、刑を軽くしたり仮釈放を認めたりするケースが少なくない。

 周氏は「中国の経済発展は否定しないが、こんな強大な国が民主化を求める人を牢(ろう)に送り、パスポートを返す際に愛国心を示す訪問を条件にするのは、ひ弱ではないか」としている。

 周氏は民主的な選挙制度を求めた雨傘運動(14年)や中国への容疑者引き渡しに関する逃亡犯条例改正案への抗議活動(19年)に参加。堪能な日本語を生かして、日本を訪れて民主化運動への支持を訴えたこともある。19年のデモに関して、20年12月に無許可集会扇動罪などで禁錮10月の実刑判決を受けた。【台北・林哲平】

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