愛知県春日井市で17日、職務質問中に工具を振りかざして逃走した男の車両に県警機動捜査隊員が拳銃を1発発砲する事案があり、県警が男を公務執行妨害容疑で逮捕していたことが27日、捜査関係者への取材で判明した。一方、男には銃で撃たれた傷があり、隊員が発砲した弾が命中したとみられることも分かった。県警は詳しい状況や、拳銃使用が適正だったかを調べている。
県警によると、17日午後5時ごろ、春日井市中野町1の駐車場で、偽造の疑いがあるナンバーをつけた白色乗用車から降りてきた男に、機動捜査隊の30代の男性巡査長が職務質問しようとしたところ、男はドライバーを振りかざして威嚇し、車を発進させようとした。巡査長は止まるよう警告したが、車は発進したため、再度警告した上で車に向けて拳銃を1発発砲した。弾は車体の右後方側面に当たったが、車はそのまま逃走した。
県警は公務執行妨害容疑で男の行方を追っていたが、その後、銃創を負った状態で発見した。
一方、県警は逃走車両への発砲が適正だったかを慎重に調べている。発砲の後、機動捜査隊の松岡秀秋副隊長は「現時点で適正な拳銃使用だと考えている」とコメントしていた。【森田采花、熊谷佐和子】
