starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

ナゴルノカラバフで燃料施設爆発、300人死傷 住民脱出で混乱


 旧ソ連のアゼルバイジャン領内にあるナゴルノカラバフで25日、燃料貯蔵施設で爆発が起こり、20人が死亡し、280人前後が負傷した。同地を実効支配してきたアルメニア系住民勢力がアゼルバイジャンとの戦闘に実質的に敗れ、アルメニアへの脱出が続く中、混乱が広がっている。

 アゼルバイジャンはナゴルノカラバフの支配を奪還した際、アルメニア系住民を保護すると約束してきた。しかし、多くの住民は30年以上も断続的に続いてきた戦闘への報復を恐れ、アルメニア本国への脱出を急いでいる。26日朝の時点で、アルメニアに入国した住民は1万3550人に達した。

 さらにナゴルノカラバフの幹線道路沿いにある燃料貯蔵施設で爆発が起こり、行方不明者が出ている恐れもあるという。タス通信が地元の衛生当局の情報として報じた。

 一方、戦闘に実質的に勝利したアゼルバイジャンのアリエフ大統領は25日、同国の飛び地であるナヒチェワン自治共和国を訪問。これまで自国を支えてきたトルコのエルドアン大統領と会談した。

 ナヒチェワン自治共和国はアルメニア、トルコ、イランの3カ国と国境を接している。そのためトルコとアゼルバイジャンはナヒチェワン自治共和国とアルメニア南部を経由し、2国間を結ぶ回廊の建設を検討してきた。25日の会談でもアリエフ、エルドアン両氏が話し合ったとみられる。

 アゼルバイジャンだけではなくトルコとも敵対してきたアルメニアは、回廊の設置に反対してきた。しかし、アルメニアが混乱に直面している状況を受け、アゼルバイジャンはトルコと共闘して圧力を強めている格好だ。

 一方、アルメニアは旧宗主国ロシアとの関係も急速に悪化させている。ナゴルノカラバフにはロシアの平和維持部隊が駐留しているが、今回の戦闘の発生を防げなかった。

 アルメニアのパシニャン首相は24日、国民向けの演説でロシアを批判したが、ロシア外務省は25日に反論の声明を発表した。アルメニアが今月半ばに米国と合同軍事演習を実施していた点を示唆し、アルメニアが「数世紀に及ぶロシアとの絆を意図的に壊し、自国を西側の地政学的なゲームの人質にしてしまうなど大きな過ちを犯した」と批判した。【モスクワ大前仁】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.