維新・前川清成衆院議員、辞職意向 公選法違反で有罪判決、上告中

　日本維新の会の前川清成衆院議員（60）＝比例近畿＝が議員辞職の意向を周囲に伝えたことが25日、関係者への取材で判明した。前川氏は2021年の衆院選で公職選挙法違反の罪に問われ、1、2審で有罪判決を受けた。現在、最高裁に上告中だが、次期衆院選を前に維新の選挙準備に遅れが出ることを懸念し、辞職を決めたという。

　前川氏は参院議員を2期務めた後、21年10月の衆院選で維新公認として奈良1区から出馬し、比例復活で初当選した。この際、公示前に自身への投票を呼び掛ける文書を不特定多数の有権者に送ったとして、公選法違反（事前運動、法定外文書頒布）の罪に問われた。

　23年1月の奈良地裁判決は、前川氏に罰金30万円の支払いを命じた。前川氏は控訴したが、大阪高裁も地裁判決を支持。判決を不服として最高裁に上告している。

　関係者によると、前川氏は既に一部の支持者らに辞意を伝えた。次期衆院選でも奈良1区から維新公認で出馬する道を探っていたが地元組織の反発が強く、候補者選定が難航。前川氏は次期衆院選で維新が躍進するためには、これ以上の遅れは許されないとして、議員辞職を決意したという。【稲生陽、吉川雄飛】