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ウクライナ反攻3カ月 露軍の防衛線突破、要衝トクマク奪還が焦点に


 ウクライナが6月上旬にロシアへの反転攻勢を始めてから3カ月が過ぎた。ウクライナ軍は南部ザポロジエ州でロシア軍の1番目の防衛線を複数地点で突破したとされ、膠着(こうちゃく)状態にあった戦況が徐々に動きつつある。

 「我々は今、第1防衛線と第2防衛線の間にいる」。ウクライナ軍で南部作戦を指揮するタルナフスキー司令官は2日付の英日曜紙オブザーバー(電子版)でこう語った。

 反転攻勢に備え、ロシア軍が同州に築いた主要な防衛線は3本とされる。地雷原や戦車の走行を阻む溝、障害物などから成る強固なラインだ。ウクライナ側は8月末に第1防衛線の一端がある同州の集落ロボティネを奪還したと発表。9月1日にはマリャル国防次官が第1防衛線を複数地点で突破したと明らかにした。

 ウクライナ軍は南下を続け、次の第2防衛線の攻撃に入った模様だ。タルナフスキー司令官は「露軍は時間と資源の6割を第1防衛線の構築に割いた」と推定。第2防衛線に敷設された地雷は限定的で、ウクライナ軍に有利に働くとみる。

 ウクライナ軍は反攻開始後、膨大な数の地雷の除去に苦戦し、進軍ペースの遅れが指摘されてきた。米国防情報局(DIA)のモール分析部長は6日付の英誌エコノミスト(電子版)で、今回の第1防衛線の突破は、ウクライナが年内に3本の防衛線を突破する「現実的な可能性」につながるとの見方を示した。

 ウクライナ軍は、帯状に広がるロシア占領地域を東西に分断するため、アゾフ海を目指して南進する。「ゆくゆくはザポロジエ州メリトポリや、(ロシアが2014年に併合した)クリミア半島との境までの道を開いていく」(ウクライナのクレバ外相)のが目標だ。

 その足掛かりとして、露軍が拠点としている同州の要衝トクマクを奪還できるかが当面の焦点となる。トクマクは、奪還したロボティネの南約25キロに位置する。

 一方、露軍側では、東部ルガンスク州に配置していた部隊を南部戦線へと移動させる動きが出ている。米シンクタンク「戦争研究所」は1日付の報告書で、再配置の動きについて「ウクライナ側の前進を踏まえ、防衛の安定性に対するロシアの懸念が高まっていることを示唆する」と分析した。

 今後、秋に入るとウクライナでは長雨によって地面がぬかるみ、戦車などの移動が困難になる。その先の厳冬期も戦闘は容易ではない。欧米の軍事支援を継続させるためにも、ウクライナ側がそれまでにどれだけの成果を出せるかが注目されている。【ベルリン念佛明奈】

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