トルコ大統領、処理水に理解 「誠実な取り組み」 岸田氏と会談

　岸田文雄首相は8日、訪問中のインドの首都ニューデリーで、トルコのエルドアン大統領と約50分間会談した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について説明し、エルドアン氏は「日本政府の誠実な取り組みを承知している」と理解を示した。

　会談では、ロシアによるウクライナ侵略をはじめとする国際情勢について意見交換した。ロシアが7月に離脱した黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意についても協議したとみられる。エルドアン氏は4日、プーチン露大統領と会談し、合意枠組みへの復帰を促したが進展はなかった。日本はこれまでもトルコの努力を評価し、ロシアの復帰を求める立場を示している。岸田氏は会談で「力による一方的な現状変更の試みは世界のどこであれ認められない」と訴えた。

　また、2014年に交渉開始で合意した日トルコ経済連携協定の交渉について、早期妥結に向けて協議を続けることで一致した。【ニューデリー村尾哲】