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米、ウクライナに劣化ウラン弾を初供与へ 体内被ばくの危険性も


 バイデン米政権は6日、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの新たな軍事支援として、劣化ウラン弾を供与すると発表した。米国による供与は初めて。ウクライナ軍に近く引き渡される予定の米軍の主力戦車「M1エーブラムス」で対戦車弾として使用される。貫通力が強く、ウクライナ軍の反転攻勢が加速する可能性があるが、ウランの微粒子が人体に入り込んだ場合は「体内被ばく」を引き起こす危険性も指摘されている。

 劣化ウラン弾は、国防総省が6日に公表した最大約1億7500万ドル(約258億円)の追加軍事支援に含まれた。これに先だって、ブリンケン国務長官は同日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を予告なしで訪問し、ゼレンスキー大統領と会談。追加軍事支援や人道支援などを合わせて総額10億ドル超の支援策も表明した。

 劣化ウラン弾は、核兵器製造や原子力発電のためのウラン濃縮過程で生じる廃棄物「劣化ウラン」を使った砲弾で、鉄や鉛の弾頭に比べて比重が大きく、強い貫通力を持つ。遠距離からでもロシア軍の戦車の厚い正面装甲を貫通できる。

 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は6日の記者会見で「ウクライナの反転攻勢に非常に効果的な砲弾だ。人体への影響はない」と強調。「米国だけでなく、ロシア軍も含めた多くの軍隊で使用されている」と説明した。

 米政府は今年1月に31両のM1エーブラムスの供与を決定しており、ウクライナ兵はドイツで操縦訓練を受けている。米政治メディア「ポリティコ」によると、今月中旬に第1陣として10両のM1エーブラムスがウクライナに到着する予定になっている。

 劣化ウラン弾を巡っては、英国が3月にウクライナに提供した主力戦車「チャレンジャー2」の装備に含まれていることを発表している。ロシア側は「核の成分を備えた兵器」の提供と反発し、隣国ベラルーシに戦術核を配備する理由にした経緯がある。【ワシントン鈴木一生】

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