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池にソーラーパネル、古民家改装…域学連携で成果着々 兵庫・洲本


 都市部の大学生らの知見や技能をまちづくりに生かしてもらう兵庫県洲本市の域学連携事業が10年を迎えた。2013年度のスタートからこれまでに計33校約850人と地域が協業、過疎化の進む地域の課題解決や活性化に成果を上げている。

 高齢化率が県統計で38・0%と県内で11番目に高い洲本市。域学連携では主に京阪神エリアの学生を迎え入れており、交通費の一部と滞在施設をそれぞれ市が提供。地域おこし協力隊も支援する。2年目の14年度以降は市単独事業として続けている。

 龍谷大(本部・京都市)は、淡路島内に数多く残る農業用ため池に着目した。担い手不足から維持管理が困難になっているため、ソーラーパネルを水面に浮かべて発電施設を整備。売電収入の一部を基金化し、市の活性化支援に充てている。

 また、学生が無料で利用できる滞在拠点「ついどはん」は、30年以上放置されていた築100年の古民家を京都工芸繊維大(本部・京都市)の学生らが3年かけて改装。若者らの宿泊施設として重宝されている。

 洲本市企画課は「地域のニーズ、学生の学びの場として、それぞれが価値を見いだしている」と事業継続の意義を強調する。「市内には大学がないので高校を卒業すると市外に出てしまう。若者が毎年来てくれてにぎわいをもたらしてくれるのも成果の一つだ」。事業に携わった学生が市内で就職したり、地域おこし協力隊に参加したりと人材育成にも寄与しているという。11月には10周年記念シンポジウムを計画している。

 23年度は、大阪工業大(本部・大阪市)の学生らが洲本市中心部にある築40年超の古民家のリノベーションに取り組んでいる。商店街に近い立地を生かし、「よりまち荘」という名の島内外の人々が気軽に集える交流拠点施設として再活用したい考えだ。

 プロジェクトには同大・大学院で建築を学ぶ学生ら16人が参加。開放的なキッチンづくりや2階の宿泊空間の新設など、利用方針や改修案は地元のまちづくり団体とも協議を重ねた。解体して出た端材を再利用するのも学生のアイデアだ。8月から解体・改装に着手しており、3年間で完成させる計画だ。

 建築学科4年、成田椋さん(22)は「まずは洲本の住民が気軽に集まってほしい。将来的には島外から(淡路島に)興味がある人に来てもらいたい」と話している。【入江直樹】

域学連携

 学生や教員が地域に入り、住民やNPOなどと共に振興策を考え、実現させる活動。総務省が「域学連携」地域活力創出モデル実証事業として始め、各地の実情に合った取り組みを展開している。大学側には実践の場を得られ、研究・教育にフィードバックできるといった利点がある。

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