店に並ばない規格外の魚を食卓に 鹿児島の水産会社、詰め合わせ発売

　定置網に入るものの小売店に並ばない規格外の魚をおいしく食べてもらおうと、鹿児島県肝付町の水産会社「昌徳丸」（柳川哲郎社長）は11日、下処理済み7品の詰め合わせ（2キロ、税込み送料別4550円）と未処理の鮮魚ボックス（5キロ、同4200円）を発売した。下処理済みには「漁師のおすすめの食べ方」というシールも貼り、一般の消費者にとってなじみのない魚でも迷わずに食べられるようにする。

　昌徳丸の定置網漁は年約200トンの水揚げがあるが、規格外や消費者の認知度の低さで廃棄処分が1日20～30キロ。一部は飲食店に卸しているが、4月に同社へ転職した福留慶さん（29）が「おいしいのにもったいない」と事業を始めることにした。福留さんは、3月まで同県職員で未利用魚の活用に知恵を絞っていた。

　上品な白身魚で何にでも向くコバンザメやシログチ、煮つけにしておいしいアヤメエビス、フライがグッドなツバメウオなど多彩なラインアップ。

　福留さんは「『きょう手に入れた魚できょうの食卓を考える』がコンセプト。市場に回らない魚で食卓を華やかにしてほしい」と呼びかけている。【梅山崇】