長野地方気象台は、長野県の霧ケ峰高原の車山(1925メートル)山頂にある気象レーダー観測所の内部を4年ぶりに一般公開した。見学者は気象災害から生命や暮らしを守る先端技術に目を見張った。
見学開始予定時刻の3日午前9時半前には約30人が入り口前に並んだ。同気象台の小林松太郎気象情報官は「業務を知ってもらうと同時に、防災情報に関心をもってもらうために公開している」と説明。上田市の塚田正毅さん(79)は「地元の施設なので見たいと思って初めて来た。息子と孫には『来年行くから、どんな様子か見て教えて』と言われた」と話した。
1階に電気室、2階にレーダー機器室があり、その上の直径7メートルのドームに同4メートルのパラボラアンテナが入っている。毎分4回転しながら毎秒330回も電波を送受信し、雨や雪の状況を観測。実況把握や予測に役立っている。全国20カ所の気象レーダーのうち、最も高い標高1937メートルにあり、低温や風雨、風雪などから機器を守るため、建物は強固な造りになっている。
公開は毎年行ってきたが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2019年以来となった。【去石信一】