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三陸沖の海洋内部水温、記録的に高く 平年と比べ10度も


 気象庁は9日、7月の三陸沖の海洋内部の水温が記録的に高くなったとの観測結果を発表した。深さ300メートルでは約10度も高かった。黒潮の流れが平年よりも大きく北上していることが原因で、水産資源などへの影響が懸念される。

 気象庁の海洋気象観測船「凌風丸」が7月下旬に三陸沖で観測した結果、沿岸から100~500キロ沖、南北約300キロの海域で、水温が記録的に高くなっていた。深さ約300メートルでは17度で、平年の7度前後に比べて約10度高かった。

 海洋内部の水温の継続的な観測データはないが、気象庁の予測モデルを用いた分析によると、この30年間で最も高いという。少なくとも今後1カ月は高い水温が続く見通しだ。

 背景には黒潮の北上がある。黒潮は房総半島沖に達すると日本沿岸を離れて太平洋に流れるが、2021年ごろから徐々に北上し始め、今春には岩手県沖にまで達した。

 気象庁によると、今回と同程度に北上したのは1979年以来との研究もあり、珍しい現象だ。原因はよくわかっていないが、気象庁は「地球温暖化と直接の関係はない」とみている。

 三陸沖では22年秋以降、海面水温が高い状態が続いているが、海洋内部の高水温も影響しているとみられる。気象庁の担当者は「水産資源の分布も含め、生態系全体への影響が懸念される」と語る。【山口智】

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