音楽グループ「AAA（トリプルエー）」のメンバー、與真司郎（あたえ・しんじろう）さん（34）がゲイであることをカミングアウトしたことに対し、歓迎や共感の声がSNSで上がっている。
AAAは男女5人のグループで、NHK紅白歌合戦に7年連続で出場するなど活躍。2020年にグループとしての活動を休止していた。
與さんは7月26日、東京都内で開いたファン向けのイベントで告白した。與さんは「世の中が自分のことをアーティストとして認めてくれないのではないかと、恐怖を感じることもあった」と葛藤があったことを明かした上で、「僕と同じ境遇に置かれている方々にも勇気を持つきっかけにしてもらいたい」と語った。
X（ツイッター）上では、「ほの暗い世界に火を灯（とも）す発言。温かく見守るメンバーたちとの関係にも胸打たれました」「どんな與真司郎でも応援します」などの声が上がっている。
海外でも話題を呼び、ニューヨーク・タイムズ（電子版）は「会場はまず静まり返り、それから甲高い声、大きな拍手、むせび泣き、『大好きだよ！』などの叫び声が上がった」と報じ、こうした告白について「保守的な日本では極めて異例のこと」だと論評した。
実際に多くの当事者は、カミングアウトしたくてもできずにいる。性的少数者に関する教育や研修に取り組む認定NPO法人「ReBit（リビット）」の薬師実芳（みか）代表理事は当事者が「八方塞がりにある」と指摘する。薬師さんは「当事者はカミングアウトしなければ自分らしくいられず、生きづらさを抱えている。一方で、公表すれば偏見やいじめなどの対象となることもある」とし、当事者以外に、理解者や支援者が広がることが重要だと訴える。【藤沢美由紀】
