starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

コロナ感染後に老衰で死亡 遺族「顔みれず火葬」と葬儀業者を提訴


 新型コロナウイルス感染後に老衰で亡くなった女性(当時85歳)の火葬時、「顔を見せてほしい」と求めたのに、国のガイドラインに沿った検討もせずに拒否されたとして、遺族側が火葬した福岡県筑紫野市の筑紫農協に慰謝料など約180万円の損害賠償を求めて福岡地裁に3日付で提訴したことが判明した。コロナ感染者の葬儀を巡っては、全国各地でトラブルが相次いでいるが、弁護人によると、訴訟で葬儀社側の責任を問うケースは珍しい。

 提訴したのは筑紫野市の篠倉邦男さん(81)ら遺族4人。訴状などによると、篠倉さんの妻、久枝さんは2022年8月にコロナ感染が判明。その5日後の同月7日に入院先の病院で死亡した。死亡診断書で死因は老衰とされたが、コロナ感染が傷病の経過に影響を及ぼしたと記載されていた。

 篠倉さんは「JA筑紫 やすらぎ会館 二日市斎場」を運営する筑紫農協側と葬儀契約を締結。当日中の火葬を告げられ、火葬の前に「顔を見せてほしい」と求めたが「灰色の納体袋で覆われているので、できない」などと拒否されたという。

 遺族側は、国が20年7月に作成したガイドラインでは火葬の際に「亡くなられた方のお顔を見る場を、可能であれば設定できるように検討してください」と記載していると指摘。さらに、納体袋には透明なビニールになっている顔確認用の窓があったとし、「顔を見せることができる可能性を検討せず、事実に反する説明で、故人と対面でお別れする権利を侵害した。権利を妨害しないように配慮する注意義務に違反した」と主張している。

 篠倉さんは取材に「今日(7日)は命日。最後のお別れができず、今でもたまらない気持ちになる。本当だったら対面できたはずで責任を問いたい」と話した。筑紫農協側は「現時点でコメントできない」としている。

 国民生活センターによると、コロナ感染者の葬儀に関する相談は20年4月~23年7月に計326件寄せられている。【志村一也、竹林静】

    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.