もう、帰りたくない? 自然が作った氷のトンネル一日開放 北海道

　連日30度超えの猛暑が続くオホーツク地方の北海道西興部村で30日、「氷のトンネル」の一日開放があった。近隣や道内から観光客が訪れ、猛暑とは別世界の涼しさを存分に体感していた。

　「氷のトンネル」は、ウエンシリ岳ふもとの渓谷に冬の間に積もって固まった雪が、沢水で削られてできる。屋根を覆う枯れ枝や枯れ草が断熱の役割を果たしており、秋まで溶けない。崩落の危険があるため普段は立ち入り禁止だが、町商工会青年部が年1回、一般開放イベントを実施。新型コロナウイルスの影響で今回は4年ぶりの開放となった。

　入り口に設置された寒暖計は午前10時半時点で18度。札幌市から来た会社員の男性（52）は「興味があったので、ようやく来られて良かった。涼しくて帰りたくない」と話し、25年ぶりに訪れた遠軽町の前川正さん（77）は「昔に比べると規模が小さくなったが、懐かしい涼しさだ」と自然の神秘を楽しんでいた。【本多竹志】