踏切内で立ち往生していた高齢男性（80代）を救出したとして、大阪府警貝塚署は25日、奈良県生駒市の会社員、京太樹さん（24）と、同僚の大阪市住之江区の岡田夏輝さん（24）に感謝状を贈った。
6月23日夕、仕事を終えて帰宅中だった京さんと岡田さんは、大阪府貝塚市の南海貝塚駅近くの踏切内にいる高齢男性を見かけた。自転車を押して踏切を渡ろうとしていたようだが、途中で遮断機が降りて取り残されていた。
「早く出さな」。駆け寄ると、居合わせた貝塚署員が既に高齢男性に声を掛けていた。踏切内で倒れ込んだ高齢男性を、京さんは署員と協力して自転車と共に運び出し、岡田さんも遮断機を手で持ち上げるなどサポートした。
一方、南海電鉄と同署によると、同駅に向かっていた電車が踏切に迫っていたが、運転士が踏切内の異常を知らせる前方の「特殊信号発光機」の点滅に気づき、手前約200メートルで停車させた。高齢男性にけがはなく、署員に付き添われ帰宅した。
田中和也署長は「一歩間違えば命の危険もあった中、勇気のある行動に感謝している」とたたえた。2人は同市の鉄工鎔断（ようだん）加工業「菰下鎔断」の営業マン。岡田さんは「私が気づく前に先輩の京さんが走り出していた。助けることができて良かった」と語り、京さんは「電車が迫っていることは救出後に気づいた。困っている人を見かけたら、身の安全を確認し人命救助をしてほしい」と話した。【斉藤朋恵】
