ロシア国防省は22日、ウクライナ南部ザポロジエ州で取材していたロシア紙イズベスチヤなどの記者団がウクライナ軍のクラスター爆弾による攻撃を受け、4人が負傷したと発表した。うち国営ロシア通信の従軍記者1人が避難中に死亡したという。国防省は「記者たちはウクライナ軍のクラスター爆弾使用についての記事を準備していた」としている。
一方、ドイツの公共放送ドイチェ・ウェレは22日、ウクライナ東部ドネツク州で取材していた同社のカメラマン1人が、ロシア軍のクラスター爆弾による攻撃を受けてけがをしたと発表した。カメラマンは前線から約23キロ離れたウクライナ軍の訓練場で取材していたといい、病院に運ばれ、容体は安定している。この攻撃でウクライナ人兵士1人が死亡したという。
米国は今月7日、反転攻勢で苦戦が伝えられるウクライナ軍を後押しするためにクラスター爆弾の供与を発表。20日には米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官が、ウクライナ軍が使用を開始したと発表していた。ロシア軍は以前からクラスター爆弾を使っていると指摘されている。
殺傷能力の高いクラスター爆弾は、残った不発弾が紛争後も民間人の被害を及ぼすことから、日本など100カ国以上が加盟するオスロ条約で使用や製造が禁止されている。米国とロシア、ウクライナは条約に加盟していない。【五十嵐朋子】
