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味は変わらないのに、規格外に 秋田大雨、ブランドねぎも被害


 秋田県で14日から続いた大雨は、ここ10年の間に急速に売り上げを伸ばしてきたブランドネギ「白神ねぎ」にも打撃を与えている。

 秋田県能代市轟で白神ねぎを栽培する農事組合法人「轟ネオファーム」を20日に訪ねると、冠水したというほ場には、まだ所々に水たまりが残り、3月に定植したネギを急ピッチで収穫していた。

 作業をしていた阿部新史さん(30)は、水圧で傾いてしまったネギを引き抜き、手に取って見せてくれた。地上で傾いた部分が微妙にカーブしている。「これだけで規格外になってしまうだろう。味は変わらないのに」と悔しそうだ。一度傾いたネギは時間がたつほどに曲がりが大きくなるという。「早く収穫しなければ」と、作業を急いでいた。

 轟ネオファームの高橋裕代表理事(69)によると、約6・5ヘクタールのほ場の半分近くが冠水被害を受けた。3月に定植し、収穫期を迎えているネギの被害はまだ少ないものの、秋冬の収穫に向けて5月以降に定植したネギの被害が大きいという。「まだ細いネギが水の影響で倒れてしまった。おそらくS字状になってしまうだろう」という。

 白神ねぎは国内でブランドネギとしての評価が定着し、台湾にも販路を拡大して好評を博している。佐竹敬久知事は「秋田の売りであるブランド物が被害を受けてしまった。これからさまざまな宣伝をし、売ろうと思っていたが、販売面でマイナス要素は免れない」と話している。

 県のまとめでは、水田や畑への冠水は20日現在、約3000ヘクタールに及ぶ。このほか、畜産施設や農業機械、ため池などの農業施設、林道などにも被害が及び、総額は約12億円とみられている。ただ全容はまだ把握できておらず、最終的な被害額は60億~70億円になる可能性があるという。

 八峰町峰浜塙の農業、藤島昌英さん(68)は水田の9割に当たる1・6ヘクタールに冠水し、泥が入ったという。断水が続いているため、自衛隊の給水支援を受け、「田んぼに入った流木などの片付けに追われて泥まみれになるのに、風呂にも満足に入れない」とこぼした。【高橋宗男】

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