とっさに孫のふりをして高齢女性を特殊詐欺から守ったとして、愛知県警天白署は14日、いずれも名古屋市天白区の大学3年生、南川茉里奈さん(20)と湯浅来瞳(くるみ)さん(20)に感謝状を贈った。
中学時代の同級生という2人は6月24日午後9時ごろ、商業施設の駐車場で80代の女性に声をかけられた。
「一番近いコンビニはどこにありますか。急いでお金を振り込まないといけなくて」。慌てた様子で携帯電話を握りしめていた。
「怪しい」と直感。わけを聞くとNTTを名乗る男から電話があり、未納料金を払うよう指示されていた。
湯浅さんは女性の電話を借りて「孫です。もう一度内容を説明してもらえますか」と尋ねた。すると男は、「本当に孫なら、おばあちゃんの年齢を言ってみて」「名前教えて」などと、矢継ぎ早に質問してきたという。
南川さんが電話を代わり、約5分にわたって相手とやり取り。詐欺だと確信し「いったん切りますね」と会話を終わらせた。そして、ようやくだまされたことに気づいた女性を交番に送り届けた。
感謝状を受け取った南川さんは「見過ごしていたら罪悪感を感じていたと思う」と話し、湯浅さんも「2人だったから協力して対応できた。表彰されるなんて思っていなかった」と謙虚に喜んだ。
2人は女性を助けた後、祖父母に電話して「怪しい電話に気をつけてね」と伝えたという。杉原基彦署長は「素晴らしい行動力のおかげで詐欺を防ぐことができた」と感謝していた。【森田采花】