starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

石棺墓のふた3枚、元は1枚 吉野ケ里遺跡、極めて珍しい発見


 国指定特別史跡の吉野ケ里遺跡(佐賀県神埼市、吉野ケ里町)で見つかった弥生時代後期の有力者のものとみられる石棺墓(せっかんぼ)について、県は6日、石のふた4枚のうち3枚は元々は1枚だったと発表した。多良岳で採石されたとみられ、有明海を経由して吉野ケ里遺跡まで運ばれたと考えられるという。

 ふたは大小4枚の石が一列に並び、最大幅65センチ、長さ2・3メートル、最大の厚さ65センチ。4枚のうち3枚には「×」や「キ」に似た線刻が多数刻まれている。

 県がふたの画像を3D解析したところ、3枚の線刻が合致し、元々は1枚と判明。佐賀大学の角縁進教授(岩石学)の分析によると、弥生時代には石斧の材料として広く使われていたカンラン石玄武岩という。

 石の接合部の線刻6カ所が合致したため、線が刻まれた後に割られたことも判明。3枚は総重量が約400キロあり、弥生時代後期の有明海は吉野ケ里遺跡の数キロ南に海岸線があったとされることから、県は「船を使って有明海を経由して運んだと考えられる」としている。

 石棺墓の複数枚のふたが同一石材だったことが確認されたのは極めて珍しいとされ、県文化財保護・活用室の白木原宜室長は「一枚石の段階で線刻が施され、その後、分割されたことは弥生時代の葬送儀礼を考える上で重要。遠くまで石を運んだことは権力の強さを象徴することもあり得る」としている。

 石棺墓は4月に見つかり、県は6月に内部調査を実施。副葬品や人骨は確認できなかったが、丘陵頂部に単独で埋葬されていたことなどから弥生時代後期の有力者の墓と言えると結論づけた。【五十嵐隆浩】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.