プーチン氏に会えず号泣の8歳を招待 動画公開、愛されイメージPRか

　ロシアのプーチン大統領が6月末に南部ダゲスタン共和国を訪れた際、8歳の少女は人垣に阻まれて、プーチン氏の姿を見られなかったとして号泣した。その様子を映した動画が拡散したことから、プーチン氏は4日、少女と両親を大統領府に招き、この模様を動画で紹介した。

　プーチン氏は6月下旬に起きた民間軍事会社「ワグネル」による反乱への対応を巡り、国内で批判の声も上がっていた。少女とふれ合う姿を紹介したのは、幅広い国民から慕われている印象を広める狙いともみられている。

　大統領府が公開した動画は8分近くに及ぶ。プーチン氏は駆け寄ってきた少女を抱き上げ、花束をプレゼントした。そして、少女が泣いていた動画を見ていたら、自分もつらくなってしまったと伝えた。その後は執務室に招き入れ、ミシュスチン首相らに直通電話で連絡を取ってみせた。

　プーチン氏は6日前の6月28日にダゲスタン共和国のデルベントを訪問。街の広場で住民らに囲まれて記念撮影や握手に応じ、上機嫌の姿が報じられた。この時も国民に愛されている大統領のイメージ拡散を試みたともみられている。【モスクワ大前仁】