「日本で唯一の地上戦」発言 松野博一官房長官が訂正し謝罪

　松野博一官房長官は23日の記者会見で、前日の会見で太平洋戦争末期の沖縄を「日本で唯一の地上戦があった地域」と述べたことについて「先の大戦で我が国の領土における地上戦は、複数の地域で行われている。沖縄本島およびその周辺のみで地上戦が行われたという認識は、必ずしも正確でない」として訂正した。

　松野氏は22日午前の会見で、岸田文雄首相が23日に沖縄全戦没者追悼式に出席する意義を問われた際、太平洋戦争末期の沖縄について「日本で唯一の地上戦があった地域」と発言。その後、同日午後の会見で訂正したうえで「正確性を欠く表現となってしまったことをおわびいたします」と謝罪した。地上戦のあった地域については「南樺太（現ロシア・サハリン南部）、硫黄島（東京都小笠原村）を含め、多くの方が亡くなったことは事実だが、地上戦の定義にもよるため答えることは困難」と述べていた。

　政府は旧民主党政権時代の2010年、沖縄戦について「沖縄本島及びその周辺のみで地上戦が行われたという認識は必ずしも正確ではない」とする答弁書を閣議決定している。【古川宗、森口沙織】