本因坊文裕（もんゆう）（34）＝井山裕太九段＝に、一力遼棋聖（25）が挑戦する第78期本因坊決定戦七番勝負（毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛）の第2局が28日午前9時、秋田県能代市の「旧料亭金勇」で始まった。
初の本因坊位獲得へ好スタートを切った一力棋聖が連勝で優位に立つか、12連覇を目指す王者・文裕が挑戦者の勢いを止めて五分に戻すか。シリーズの流れを左右する一局の舞台は、秋田杉の集散地として栄えた木都・能代だ。
良質の木材がふんだんに使われた金勇は、その繁栄を象徴する昭和初期の歴史的建造物。2014年の第69期以来、本因坊戦開催は今回で5回目だ。対局場となっている110畳の2階大広間で、文裕らが名勝負を繰り広げてきた。
午前9時前、一力棋聖、文裕の順に対局室に入室。立会の高尾紳路九段（46）が声を掛け、先番（黒番）の一力棋聖が右上隅小目に第1着を打ち下ろし、熱戦の火蓋（ひぶた）が切られた。
持ち時間は各8時間。28日夕に打ち掛けとなり、29日に打ち継ぐ。現地大盤解説会は、28日午後1時から市内のプラザ都4階「瑞雲の間」で開かれる。解説は後藤俊午九段、聞き手は奥田あや四段が務める。【最上聡、武内亮】
