陸自、富士総合火力演習を実施 一般公開取りやめで様子をライブ配信

　陸上自衛隊は27日、静岡県の東富士演習場で、国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」（総火演）を実施した。島しょ部に侵攻した敵を想定した演習で、隊員約2500人が参加した。海洋進出を強める中国を念頭に置いたとみられる。

　演習では約57・2トン（約10億7000万円相当）の弾薬を、戦車と装甲車計約70両、火砲計約70門などが撃ち込んだ。反撃拠点を確保する場面では、垂直離着陸輸送機オスプレイが離島防衛専門の水陸機動団を乗せて演習場内を飛行。敵の動向をつかむため無人機が投入され、陸自の新しい多用途ヘリコプター「UH2」も初登場した。

　総火演の一般公開は、本来の目的である教育訓練に注力するため今年度から取りやめとなり、演習の様子は動画投稿サイトでライブ配信された。新型コロナウイルスの影響で、一般公開は2020～22年度も中止されている。【松浦吉剛】