奈良県南部にある下北山村が観光客を呼び込もうと、ホラー映画「リング」シリーズに登場する怨霊「貞子」と村内各所で写真を撮れる無料アプリを配信している。
アプリは「貞子の村巡り―下北山村でさだキャン―」。東京の「凸版印刷」と共同開発し、AR（拡張現実）の技術を活用した。
村には、関西有数のキャンプ場として知られる下北山スポーツ公園キャンプ場があるが、ほとんどの行楽客はキャンプ場以外に立ち寄らずに帰ってしまうことが課題だった。このため、村内にある他の観光スポットを周遊してもらおうと、2022年にシリーズ最新作「貞子DX」が公開された人気キャラクターの力を借りて振興に乗り出すことにした。
同キャンプ場や池原ダム、住吉神社、不動七重の滝など9カ所でアプリを使うと、コンピューターグラフィックス（CG）の貞子が現れる。その場の風景に貞子を入れて記念撮影することができ、ひと味違う観光体験を楽しめる。
村地域振興課によると、22年12月のリリース以来、アプリは約1600回ダウンロードされた。同課は「アプリを使った画像がSNSで投稿されているのをよく見かける。これからのキャンプシーズンに向けてアプリを積極的にPRし、1万ダウンロードを目指したい」としている。
アプリが利用できるのは25年12月まで。詳しくは村のホームページ（http://www.vill.shimokitayama.nara.jp/sadako/)。【高田房二郎】
