卓球女子で2012年のロンドン大会からオリンピック3大会連続でメダルを獲得し、惜しまれながら引退を表明した石川佳純さん(30)=全農=が26日、出身地・山口市の伊藤和貴市長や村岡嗣政知事らに改めて引退を報告した。石川さんは「卓球にはいろんなことを教わった。これからも関わっていきたい」とし、地元で卓球教室などを開催する意向を示した。
山口市役所を訪れた石川さんは伊藤市長に「今は晴れやかな気持ちで過ごせています。山口に久しぶりに帰ったので、たくさんの方に直接感謝を伝えたい」とあいさつ。市長は「感動と元気を山口に与えてくれてありがとう」とねぎらった。
石川さんは、自身が監修した全農のレトルトカレー「石川佳純カレー」を市長にプレゼント。市長は、石川さんが山口市のふるさと大使を務めていることから、花束の他に市の特産品も贈った。
伊藤市長は「将来は『石川佳純杯』などの冠大会ができたら」と提案。石川さんは全国47都道府県で卓球教室などを実施する「サンクスツアー」を継続中で、この卓球教室を山口でも開催することを伝え「スポーツの大会もぜひやってみたいと思っています」と目を輝かせた。
石川さんは取材に「今までは『石川選手』と言われていたが、『石川さん』と呼ばれるようになり、引退したんだなと感じる。車の運転免許を取りたいと思っていて、テストは山口で受けるので頑張ります」と笑みを浮かべた。
スポンサー企業などを回った後、石川さんは県庁も訪問し、大勢の県職員が拍手で迎えた。村岡知事は「県内でも卓球をする子供が増えた。子供たちに経験してきたことを伝えてほしい」と話し、花束を贈った。【山本泰久】