米国防総省（ペンタゴン）近くで大規模な爆発が起こったような虚偽の画像が22日、ツイッターなどソーシャルメディアで拡散した。地元消防当局が爆発を否定する声明を発表したが、米ニューヨーク株式市場では主要株で構成するダウ工業株30種平均が一時80ドル近く急落するなど混乱が広がった。
米メディアによると、米東部時間22日午前10時過ぎ、米ブルームバーグ通信を装ったアカウントなどが、「ワシントンDCの国防総省施設近くで大規模な爆発――第一報」と題し、官公庁施設のような場所で爆発とともに黒煙が上がる画像を投稿した。この虚偽情報はツイッターなどSNS（ネット交流サービス）で急速に拡散。米国や海外の一部メディアがSNSを引用する形で「ペンタゴン近くで大規模爆発が起きた」と速報するなど一時騒然となった。
ペンタゴンが所在するバージニア州の消防当局は午前10時半ごろ、「ペンタゴンやその付近で爆発や事故は起きていない」と情報を否定。ニューヨーク金融市場の混乱も間もなく収束した。
拡散した偽画像は、街灯の一部が透けてみえるなど、人工知能（AI）が自動生成した画像の特徴が多数見つかった。ツイッター社は誤情報の発信源となった一部アカウントを停止。アカウントの運営者や、偽画像の出所は不明という。
