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後輩への「ありがとね。」で職場は変わる 消防士がハッとした失敗


 消防の仕事にはどのような課題があり、どう解決すべきか。そんなテーマで東北各県の若手消防職員らによるスピーチ大会がこのほど、仙台市内で開かれた。最優秀賞には、「ポジティブワード」などで職場環境を改善できると説いた福島代表の蛭田崇孔(たかよし)消防士長(25)=郡山地方広域消防組合=が輝いた。【土江洋範】

 大会は、全国消防長会東北支部(新潟を含む7県)の「消防職員意見発表会」で、今年46回目。各県大会で選ばれた22~31歳の出場者7人は、ふだん救急隊員や通信指令員などさまざまな業務に従事する。1人5分の持ち時間で、それぞれ身ぶり手ぶりを交えながら熱弁を振るった。

 火災現場などで人命救助を担うレスキュー隊員の蛭田さんは、訓練中に要救助者に見立てた人形を誤って地面に落としてしまった失敗談から切り出した。後輩隊員が後に雑談で漏らした、こんな言葉にハッとさせられたという。「実はあの時バランスが悪くて、はしごがぐらついていたんです。でもそれを言って訓練を中断すべきでないと思いました。先輩に意見することに遠慮や怖さがありました」――。

 互いにものを言いやすく、安心感のある環境を作らなければと感じた蛭田さんは、「ありがとね。いつも助かるよ」とポジティブな声がけを習慣化。「こうすればもっと安全だったと思うけど、どう思う?」などと対話を通じて後輩の意見を引き出すことも徹底した。こうした姿勢は、研修会などで組織全体に波及したという。

 外部から招かれた審査員は「消防にとどまらず、さまざまな職場で参考になる」と評価。5月31日に京都市で開かれる全国大会への出場を決めた蛭田さんは、取材に「緊張したが楽しめた。全国でも最優秀賞を目指したい」と意気込んだ。

 優秀賞には岩手代表の古舘結似(ゆに)さん(26)と、宮城代表の佐藤直人さん(29)が選ばれた。古舘さんは現状では難しい女性職員の被災地派遣を増やすための方策、佐藤さんは救急活動で傷病者や家族の心に寄り添う声がけの大切さを力説した。

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