ロシア大統領府はドローン(無人機)がモスクワ中心部にある大統領府への攻撃を図ったと発表、ウクライナ軍によるものだと主張した。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は関与を否定した。ウクライナ情勢を巡る日本時間4日までの動きをまとめた。【デジタル報道グループ】
ロシア「ウクライナ軍がクレムリン攻撃」
ロシア大統領府は3日、無人機2機が同日未明にプーチン大統領が執務する大統領府への攻撃を図ったが、迎撃したと発表した。ロシアは、この攻撃がウクライナ軍によるものと主張。9日に第二次大戦時の対独戦勝記念日の式典を控えているタイミングを狙ったと受け止め、「場所と時期を選んだうえで、対抗措置を取る権利を持つ」と反発を強めている。
大統領府サイトに掲示された発表は「キエフ(ウクライナ)の政権が無人機を使い、ロシア大統領のクレムリンの居住区への攻撃を仕掛けた」と指摘。大統領府を警護する軍と護衛隊がレーダーシステムを作動させて迎撃した結果、負傷者や建物の被害は出ていないと明かした。
プーチン氏は前日に北西部の都市サンクトペテルブルクを訪れた後、モスクワに戻っていたが、襲撃時には大統領府に滞在していなかったという。【関連記事】ロシア「ウクライナ軍がクレムリン攻撃」 報復措置取る姿勢も
ゼレンスキー氏 攻撃関与を否定
モスクワのロシア大統領府に対する無人機攻撃について、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、訪問先のフィンランドで「我々はプーチン(露大統領)やモスクワを攻撃していない。自国領土で戦う」と述べ、関与を否定した。また、近く露軍への大規模な反転攻勢に踏み切る構えを見せた。ロイター通信などが報じた。【関連記事】ゼレンスキー氏「近く攻勢に転じる」 クレムリン攻撃関与は否定
米、慎重に見極めへ
米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は3日の記者会見で、ウクライナが無人機でロシアのプーチン大統領の暗殺を謀ったとする露大統領府の発表について、「現段階では信ぴょう性を確認することはできない」と述べ、状況を慎重に見極める姿勢を示した。
ジャンピエール氏は「米国はウクライナが国境を越えてロシアを攻撃することを奨励していない。(兵器支援で)それを可能にしたこともない」と強調した。【関連記事】ロシア「ウクライナがドローン攻撃」 アメリカ、慎重に見極めへ