岸田文雄首相は5月上旬に韓国を訪問し、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領と会談する調整に入った。政府関係者が明らかにした。尹氏が3月に来日した際の首脳会談で、両首脳が相互訪問する「シャトル外交」の再開で一致。首相は訪韓の時期を探っていた。首相就任後、初の訪韓となる。
シャトル外交としての日本の首相の訪韓は、2011年10月に野田佳彦首相がソウルを訪問して以来で、12年ぶり。日本の首相の訪韓は、18年2月に安倍晋三首相が平昌（ピョンチャン）冬季五輪の開会式に出席して以来5年ぶりとなる。
今年3月の首脳会談では、最大の懸案だった徴用工問題について韓国側が提示した解決策に首相が評価する姿勢を示し、両国関係を強化していくことで一致。シャトル外交についても「形式にとらわれず頻繁に訪問する」ことを確認し、首相も早期の訪韓に意欲を示していた。
首相は、5月19日から広島で開く主要7カ国首脳会議（G7サミット）に尹氏を招待しており、相次いで両国首脳が相手国を訪問することになる。
首相は4月29日からエジプト、ガーナ、ケニア、モザンビーク、シンガポールを歴訪し、5月5日に帰国する予定。訪韓は7、8日となる可能性がある。【村尾哲、日下部元美】
