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精進野菜やお香で癒やしを 高野山に「天風てらす」 30日開店


 和歌山県高野町の高野山奥之院近くの道路沿いに30日、お香づくりなどの文化体験や食事などを通して、観光客らの「癒やしの場」を目指す複合店舗「天風てらす」がオープンする。土産物販売などを手がける「一の橋天風」(同町)が、奥之院近くの支店を解体撤去して新店舗として建設した。同社は新型コロナウイルス感染症による団体客激減で大きな影響を受けたが、社長の馬場誉さん(44)と専務の麻美さん(40)夫妻を突き動かしたのは「癒やしの場を提供するのは、お大師様の門前で観光業を営む者の使命」との思いだった。【藤原弘】

馬場夫妻「使命」感じ

 新店舗は木造2階建て延べ約220平方メートルで、1階のテラスにはショップや体験スペースがあり、2階がカフェとなっている。カフェでは、和歌山県橋本市やかつらぎ町で栽培される地域ブランド「高野山麓(さんろく)精進野菜」など地元野菜を使用。米粉パンを使ったバーガーに挟んだり、サラダに使用したりと、多彩なメニューが並ぶ。パテは大豆ミートかビーフかを選べるようにし、ビーガンにも対応。インバウンド(訪日外国人客)も意識している。高野豆腐を肉代わりに使用するビーガンのカレーセットもある。麻美さんは「高野山といえば精進料理のイメージがあるかもしれないが、洋風料理で幅広い年代の人たちにほっとしてもらえる場所にしたかった」と狙いを説明する。

 1階では、コウヤマキを使ったお香づくりや、和歌山県有田川町で栽培が盛んなサンショウを使った七味作りなどのワークショップを月に3、4回程度、開いていく。ショップでは、橋本市の地場産業「パイル織り」の工場で作った小物や、県内産の食品などを販売する。

 同社は奥之院の一の橋前に土産物販売やレストランを備えたメインの店舗があり、コロナ禍前は客の8~9割は団体客だったという。だが、全国で感染拡大した2020~22年秋に売り上げは平均で約8割減となり、持続化給付金や金融機関からの借り入れなどでやり繰りしてきた。

 そうした中、麻美さんは「お大師様の高野山の魅力を発信しよう」と考え、20年7月からは高野山内や周辺の風景を動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信。多くの人から「高野山へ行って深呼吸したい」などの反響が寄せられたことで「新しい癒やしの場を高野山に」と思ったという。「ここで何かしないと、このままになってしまう」。不安が募る中、夫妻は話し合いを重ね、「天風てらす」の計画が動き出した。

 「天風てらす」は、1階にあるテラスに由来するだけでなく、弘法大師にちなんで唱える「南無大師遍照金剛」にある遍(あまね)く照らす」にもちなんで命名された。「人々の心を照らし、人々が元気をチャージする場所に」との願いが込められている。同社は22年7~10月、クラウドファンディングで建設資金を募り、計547万円余りが寄せられた。支店解体後、22年7月に着工し、完成した。麻美さんは「はるばる高野山に来た人へ地域と一緒に魅力を伝えたい。高野山麓の農業生産者や地場産業など、高野山を拠点に紹介したい」と話している。

 営業は午前11時~午後5時。カフェの食事は午後2時にオーダーストップ。問い合わせは、天風てらす(0736・25・6012)。

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