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「政治とカネ」で注目、衆院千葉5区補選 自民、野党の訴えは?


 「開かれた形で公募をやり、我々が自信と責任を持って選んだ候補だ」

 千葉県浦安市のJR新浦安駅前広場で15日、自民党県連で選挙対策委員長を務める小林鷹之衆院議員が声を張り上げた。紹介された自民新人の英利アルフィヤ氏(34)はその横で、悪天候の中でも駆けつけた聴衆に対し、お辞儀を重ねていた。

 政治資金規正法違反罪で略式命令を受けた薗浦健太郎元衆院議員=自民を離党=の辞職に伴う今回の衆院千葉5区補選に、自民は危機感を持って臨んでいる。薗浦氏のイメージを払拭(ふっしょく)しようと、「清心で清潔な人」を条件に2月に候補者を公募。国連や日銀で勤務経験のある英利氏に白羽の矢を立てた。15日に浦安市で応援演説した岸田文雄首相は「政治とカネ」には触れず、「即戦力として働いてくれる貴重な人材」と英利氏を持ち上げた。

 ただ、「落下傘候補」の投入による不協和音も聞こえてくる。ある自民関係者は「公募で地元の人間を推したのに無視された」と不満を隠さない。地元市議は「政治資金問題に加え、候補者選定を巡る不満がくすぶっているように感じる」と気をもむ。

 野党第1党の立憲民主党は議席奪還のチャンスとみて、「政治とカネ」の問題を前面に打ち出した選挙戦を展開している。16日にJR市川駅前でマイクを握った立憲新人の矢崎堅太郎氏(55)は「自民が勝てば『政治とカネ』の問題が無かったことになってしまう」と訴えた。

 そんな矢崎氏を、党本部も全力でもり立てる。泉健太代表が告示日や週末に選挙区入りした他、岡田克也幹事長や野田佳彦元首相ら「党の顔」が連日のように肩を並べて街頭に立っている。野党候補の一本化は実現しなかったが、陣営幹部は「接戦に持ち込めば、自民に批判的な他党支持者からの票が期待できる」と見込む。

 統一地方選の前半戦で、関西を中心に躍進した日本維新の会は、今回の補選を関東での足場固めの戦いと位置づける。地元に根を張った支持組織を作り切れていないため、維新新人の岸野智康氏(28)は、並行して実施されている市川、浦安両市議選の候補者たちと一緒に街頭に立ち、相乗効果による知名度アップを狙う。自民の「政治とカネ」の問題を追及しつつ、「揚げ足取りしかできない野党とは違う」とも語り、他の野党との差別化も図ろうとしている。

 共産党は9日に投開票された県議選市川市選挙区で、2019年に失った議席を奪還。その勢いを衆院補選にもつなげたい考えだ。共産元職の斉藤和子氏(48)は、人通りの多い駅前やスーパー、住宅街といった生活の場を中心に街頭演説を重ね、給食費の無償化や高等教育の負担軽減、働き方改革といった党が掲げる看板政策をアピール。防衛予算を拡大する岸田政権への批判も強めている。16日にはJR本八幡駅前で「物価高、生活不安が広がっている。人々を苦しめるような政治に一緒に怒りましょう」と支持を呼び掛けた。

 国民民主党新人の岡野純子氏(44)は「クリーンな政治を実現するのは当たり前のこと」として、「政治とカネ」の問題は前面に出さない戦略だ。浦安市議を3期12年務めた実績を強調し、隣接する東京都心との給与格差などに焦点を当てながら、党が掲げる「給料の上がる経済の実現」などを訴える。立憲と候補者を一本化できなかったため、連合の推薦を得られなかったものの、電機連合や電力総連、自動車総連、UAゼンセンなど産別組織の支援を受ける。

 千葉5区補選ではこの他、政治家女子48党新人の織田三江氏(41)が子育て支援の充実などを掲げて選挙戦を展開。クラウドファンディングで供託金を集めた無所属新人の星健太郎氏(43)は、インターネットを利用した投票の実現など行政のデジタル化の推進を訴えている。【山本佳孝、石川勝義、石塚孝志】

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