岸田文雄首相は16日午前、和歌山市の雑賀崎（さいかざき）漁港で、衆院補選の応援演説に訪れた首相に向けて爆発物が投げ込まれた事件について「民主主義の根幹をなす選挙で暴力的な行為が行われたことは、絶対に許すことができない。有権者の声をしっかり選挙を通じて示してもらうことは、我が国と民主主義にとって大切なことだ。国民とともにこの大切な選挙を最後までやり通していきたい」と述べた。首相公邸前で、記者団に語った。
23日投開票の統一地方選後半戦や衆参5補選への影響については「各党の選挙運動が妨げられることがないよう、警察において警備・安全に万全を期してもらいたい」と指摘。5月に広島市で開催される主要7カ国首脳会議（G7サミット）を含めた今後の警備体制に関しては「事件の捜査が進むと同時に検証も行われる。サミットをはじめ、世界各国から要人が集まる日程においては最大限、警備・安全に努めていかなければならない。安全を確保できるよう力を尽くしていきたい」と述べた。
首相はまた、事件の現場で容疑者の取り押さえに協力した男性に直接電話をし、謝意を伝えたと説明し、「国内外からもさまざまなご心配やお見舞いの声をいただいたことに感謝申し上げる」と語った。
首相はこの後、参院大分選挙区補選の応援演説に予定通り出発した。【源馬のぞみ】
