米国防総省のクリス・メアー国防長官補佐官(広報担当)は10日、記者団に対し、台湾周辺で軍事演習を実施した中国側がオースティン長官や米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長との意思疎通を拒否していると明らかにした。緊張が高まった状況下でこそ対話が重要として中国側に応じるよう呼びかけた。
台湾の蔡英文総統は米西部カリフォルニア州で5日、米国のマッカーシー下院議長と会談した。台湾を領土とみなす中国は反発し、8~10日に台湾を取り囲むようにして軍事演習を行った。
メアー氏は、中国に対し、蔡氏とマッカーシー氏の会談を「過剰に反応するための口実にすべきではない」と強調した。米軍の原子力空母「ニミッツ」を中心とする空母打撃群と海兵隊の即応部隊が通常任務としてフィリピン海に展開していると説明し、「米軍が西太平洋で安全に責任を持って活動することを阻むことはできない」と中国をけん制した。【ワシントン鈴木一生】