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安倍元首相銃撃捜査終結 山上被告を追起訴 公選法違反は見送り


 安倍晋三元首相(当時67歳)が2022年7月、奈良市で演説中に銃撃され死亡した事件で、奈良地検は30日、同市の無職、山上徹也被告(42)=殺人罪などで起訴=を武器等製造法違反や火薬類取締法違反、建造物損壊など四つの罪で追起訴した。奈良県警は銃撃で演説を中止させたとして公職選挙法違反(自由妨害)容疑でも追送検していたが、地検は不起訴(容疑不十分)にした。事件から9カ月近くで一連の捜査は終結した。

 起訴内容は、20年12月以降、奈良市の自宅で金属製の筒や配線コードなどを使って手製銃6丁を無許可で製造。21年2月から22年3月にかけては、硝酸カリウムや木炭などを混ぜ合わせ、黒色火薬約2250グラムも許可なく作った。21年12月ごろからは、できあがった銃の試射を同市の山中で繰り返した。また、安倍氏の銃撃に及ぶ前日の22年7月7日早朝には、同市内の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連施設に向けて手製銃を1回発射し、外壁などを損壊したとしている。

 山上被告は旧統一教会に入信した母が多額の献金をして家庭が崩壊したとして、教会に恨みを抱くようになった。教会の活動を国内で広めたのが安倍氏だと考えるようになり、襲撃対象に選んだとされる。

 地検は公選法違反での起訴を見送ったことについて「関係証拠を精査したが、立証に足りる十分な証拠がなかった」と説明した。

 県警幹部によると、山上被告は取り調べに対し、選挙を妨害する意思を明確に示してはいなかったという。しかし、公衆の面前で発砲すれば、結果的に演説が中止になるという「未必の故意」があったと県警は判断。公選法違反容疑でも追送検していた。元検事の落合洋司弁護士は「山上被告が事件を起こした最大の目的は安倍氏を殺害することであり、地検は選挙への影響は本質ではないと判断したのではないか。量刑に大きな影響がないと考え、証拠を検討した上で起訴を見送ったのだろう」と話した。

 山上被告は22年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で演説中だった安倍氏を背後から銃撃したとして、23年1月13日に殺人罪と銃刀法違反(発射、加重所持)で起訴された。現在は大阪拘置所(大阪市都島区)で勾留中で、今後は争点を絞り込む公判前整理手続きを経て裁判員裁判で審理される見込み。ただ、首相経験者を殺害したという事件の重大性や、旧統一教会への恨みが動機とされる特殊性から、公判が始まるめどは立っていない。【吉川雄飛】

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