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鳥羽水族館採集のイソギンチャク、世界新種トップ10に 学名の由来は


 三重県鳥羽市の鳥羽水族館が熊野灘の深海で採集したヒメキンカライソギンチャク(学名=スタイロバテス・カルシファー)が、国際的海洋生物データベース・国際海洋生物種目録(WoRMS)の「2022年世界の注目すべき海洋生物の新種トップ10」に選ばれた。

 同水族館によると、ヒメキンカライソギンチャクは、これまで和名はあったものの、分類学上の種は不明だった。そこで同水族館は、定期的に実施している熊野灘漸深海帯の生物調査で19、20年に、水深190~340メートルの海底で採集した8個体(高さ1~2センチ、直径3~4センチ)を、共同研究者の東京大学大気海洋研究所の吉川晟弘(あきひろ)特任研究員らに提供した。吉川特任研究員らの研究チームが調査を進めたところ、新種であることが判明し、22年3月に米国の学術誌で発表した。

 ヒメキンカライソギンチャクは、共生するジンゴロウヤドカリが住む巻き貝の上に付着し、自身の分泌物で貝殻を「増築」していくという、極めて珍しい生態がある。その姿がまるで「ヤドカリの城」を作り上げていくようにみえることから、宮崎駿監督のアニメ映画「ハウルの動く城」の原作小説「魔法使いハウルと火の悪魔」に登場する、火の悪魔「カルシファー」にちなみ、学名は「スタイロバテス・カルシファー」と命名された。

 同水族館の担当者は「やわらかなイソギンチャクがヤドカリの家を作り出す、このような興味深い生態を、水族館を訪れる多くの方に知ってもらいたい」とコメントした。

 ヒメキンカライソギンチャクは、同水族館のKコーナー「へんな生き物研究所」で生体展示されている。

 同水族館の採集生物が「注目すべき海洋生物の新種トップ10」に選出されるのは2回目。19年には、同じく熊野灘で採集したタコヤドリゴカイが選出されている。【小沢由紀】

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