区役所職員を守秘義務違反で逮捕 知人に情報漏らしたか 福岡

　職務上知り得た私有地に関する情報を知人に漏らしたとして、福岡県警は13日、福岡市中央区役所地域整備課職員、野中俊秀容疑者（33）＝住居不定＝を地方公務員法（守秘義務）違反容疑で逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。

　逮捕容疑は2022年3月ごろ、同区内の飲食店で、市道として使われている私有地に関する相談内容が記載された資料を知人2人に渡し、秘密を漏らしたとしている。

　市によると、野中容疑者は事件当時、市役所本庁の九大跡地整備課に在籍。九州大箱崎キャンパス跡地（同市東区）内とその周辺に市道や公園といったインフラを整備する「貝塚駅周辺土地区画整理事業」の工事計画や設計に携わっていた。事件後の22年9月以降、病気で休職中という。

　県警は13日、中央区役所を捜索。押収した資料を分析し、情報漏えいの見返りに金銭の授受がなかったかなども調べる方針。藤田三貴・中央区長は「職員が逮捕され、極めて遺憾。市民に深くおわびするとともに、厳正に対処する」とのコメントを出した。【土田暁彦、野間口陽、河慧琳】