滋賀県は9日、新型コロナウイルス対策の宿泊支援策で「アーバンホテル草津」(草津市大路1)と「アーバンホテル南草津」(同市南草津1)が補助金計約3000万円を不正に受け取っていたと発表した。
県によると、不正受給があったのは県内の観光産業を支援する宿泊周遊キャンペーン「今こそ滋賀を旅しよう!」と、医療従事者らを対象に家庭内などの感染回避を目的とした宿泊費用を補助する「しが安心宿泊割引事業」。両ホテルは2021年1月~22年7月に、過去の利用者や従業員の名前を使ってホテルの利用があったことにして補助金を請求していた。
22年6月、県に情報提供があり調査したところ不正が判明した。両ホテルから不正受給した全額と加算金約1100万円が返還されたことなどから、県は刑事告訴を見送る方針。他の事業対象施設の不正は確認されていない。
両ホテルは、京都や滋賀でホテルを展開するアーバンホテルシステム(本社・京都市伏見区)が運営している。両ホテルの山本隆・総支配人は「今後このような事業がある場合、ルールをよく理解し、協議して取り組みたい」と話している。【菅健吾】